油は悪いもの?

01.人間の構造と油脂の必要性を考える

三大栄養素の一つ、油は大切なエネルギー源である

私たち人間は、約60兆個もの細胞からできていると言われています。その細胞を保護する細胞膜は、脂肪酸から構成されるリン脂質というもので出来ており、このリン脂質が優れていることが、健康のバロメーターになります。特に、人間の体の中で最も油分が多い臓器が脳です。脳の約60%は油脂で出来ており、脳の機能には欠かせないものです。また、脂質は、炭水化物・タンパク質と並ぶ「三大栄養素」の一つであり、人間が生きていく上でエネルギーとなる大切なものであり、必要不可欠なものです。

へぇー!油ってわたしたちの身体にとっても大切なんだ!

カラダに必要な油脂を摂取するためのポイント(1)

~脂と油の違い~

脂と油の違い(図)

カラダに必要な油脂を摂取するためのポイント(2)

~不飽和脂肪酸の種類を知る~

さらに、魚類由来の油や植物由来の油である不飽和脂肪酸には、構造上の炭素と炭素の二重結合がひとつだけの「一価不飽和脂肪酸」と、炭素同士の二重結合が複数ある「多価不飽和脂肪酸」に分かれます。この炭素同士の二重結合は、多いほど安定性が低くなり、酸化しやすくなります。また、分子間力が低下するので融点が低くなり、常温でも液状になるのです。「一価不飽和脂肪酸」は、オリーブオイルや菜種油などに多く含まれるオレイン酸がオメガ9系脂肪酸の代表的なもので、「多価不飽和脂肪酸」は、ごま油、コーン油、マヨネーズなどに含まれるリノール酸などのオメガ6系脂肪酸と、インカインチ油、えごま油、亜麻仁油などに含まれるα‐リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸に分類されます。

ふむふむ。不飽和脂肪酸はオメガ9系、6系、3系の3種類に分かれるのね。

オメガ9系脂肪酸
炭素同士の二重結合が一つだけ含まれる脂肪酸。オレイン酸を多く含む、オリーブオイルや菜種油など
オメガ6系脂肪酸(必須脂肪酸)
炭素同士の二重結合が複数含まれる脂肪酸。体内で作ることが出来ない(食べ物から摂取する)。リノール酸を多く含む、ごま油やコーン油、マヨネーズなど
オメガ3系脂肪酸(必須脂肪酸)
炭素同士の二重結合が複数含まれる脂肪酸。体内で作ることが出来ない(食べ物から摂取する)。α‐リノレン酸を多く含む、インカインチ油やえごま油、亜麻仁油など

脂肪酸の種類(図)

油との“かしこい関わり方”って、なんだろう?

私たちが飽和脂肪酸を摂取した時、飽和化酵素の働きによりオメガ9を作ることはできますが、人間を含む高等動物にはオメガ6およびオメガ3を作る酵素が無いため、これらを体内で作ることはできません。よって、オメガ6およびオメガ3系脂肪酸は食物から摂取するしかない、必須脂肪酸なのです。
ひとことで、「油(あぶら)」といっても、このように細かく分類され、それぞれ役割やカラダに及ぼす作用が異なります。不飽和脂肪酸で構成された細胞膜は柔軟性があり、しなやかに動くため、細胞の機能性も向上しますが、飽和脂肪酸で構成された細胞膜は固く、流動性も低くなると言われているため、私たちは油の性質を見極めながら不要な油を減らし、必要な油を補うことが大切です。体内で作ることのできないため、食物から摂取しなければならない、オメガ3とオメガ6の理想的な摂取比率は、1:4と言われています。

〈理想的な摂取比率〉オメガ3系 1:オメガ6系 4

02.必須脂肪酸の役割と必要性

オメガ6系脂肪酸の役割と効果

オメガ6系脂肪酸に含まれるγ‐リノレン酸は、プロスタグランジン(PGE1)と呼ばれる生体調整ホルモンの原料となり、〈血小板凝縮抑制・炎症抑制・血管拡張・胃散分泌・ホルモン分泌正常化〉などの効果があります。
一方、γ‐リノレン酸は体内で代謝されるとアラキドン酸へと変化しプロスタグランジン2(PGE2)へと変換され、〈血小板凝縮・炎症促進・血管拡張・血管透過性亢進〉などの作用をもたらします。
カラダに必要なものでありながら、摂り過ぎるとPGE2が強く作用し、アトピー性皮膚炎や花粉症、ぜんそくといったアレルギー症状や、関節炎、動脈硬化、心臓病・脳卒中等の免疫疾患の症状が出てきます。近年増加傾向にあるこれらの病気は、現代人のオメガ6系脂肪酸の摂り過ぎが一因だと考えられております。

オメガ6系脂肪酸の分類

オメガ6系脂肪酸の摂りすぎが問題ね。わたしも気をつけよう。
オメガ3系脂肪酸ってわたしたちのカラダにとっても大切なのね!

オメガ3系脂肪酸の役割と効果

オメガ3脂肪酸に含まれるα‐リノレン酸は、体内でドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)に変換されます。青魚などに多く含まれることで有名なDHAやEPAですが、これらの成分の効果として〈脳の活性化・血栓予防・中性脂肪の抑制・動脈硬化予防・悪玉コレステロールの減少と善玉コレステロールの増加〉が見込まれます。さらに、オメガ6のγ-リノレン酸からアラキドン酸を合成する酵素を抑制し、PGE2の働きを抑える効果もあります。
このオメガ3系脂肪酸を多く含む油にはインカインチ油・えごま油・亜麻仁油などがありますが、中でも今、女優や美容家の方々が積極的に摂取していることで話題なのが「亜麻仁油」なのです。

亜麻仁油の健康効果へつづく……