亜麻仁油の健康効果

亜麻ってこんな花。

亜麻とは、アマ科の一年草。この植物「亜麻」の種のことを「仁(ニ)」と呼びます。英語名は、フラックスシード(Flaxseed)。スラリと伸びた茎に薄紫色の小さな可愛い花をつけます。日の出とともに咲き、午前中で全て散ってしまうとても儚い花でもあります。花とは対照的に茎の繊維は非常に丈夫で、古くからテントや船の帆布などに使われ、通気性や吸湿性が優れていることから、女性用のランジェリーや高級衣類にも利用されていました。

ちなみに、歌のタイトルにある「亜麻色の髪の乙女」の亜麻色は亜麻の花びらのような薄紫色の髪の毛…ではなく、亜麻で作られた糸のようなうす茶色(金色)のことなんだって!

高級リネンだけじゃない、世界が認める亜麻仁油の抜群の効果

亜麻は高級リネンとしての利用だけではなく、古くから食用としても利用されております。日本では、最近になって健康効果に注目が集まり始めた亜麻仁油ですが、西洋医学の父と呼ばれるヒポクラテスの医学書には、亜麻仁には整腸作用があることが記され西暦800年代には、フランスのシャルルマーニ大帝が「臣民は亜麻仁を摂るべし」と亜麻仁の摂取を法令化したりと、ヨーロッパでは古くから亜麻仁の栄養効果は認められています。

亜麻の原産国は、どこですか?

亜麻の発芽適温は、16~20度と比較的低く、カナダやロシアなどの亜寒帯地域の国で栽培されており、日本の輸入品はほとんどがカナダ産のものになります。日本でも明治初期に、外交官の榎本武揚によって栽培技術が導入され、北海道で栽培をスタート。当時、北海道内には多くの亜麻工場が存在しましたが、繊維としての利用がメインで、食用としてはあまり普及しないまま、終戦後の化学繊維の普及にともない亜麻繊維の需要は減り、昭和40年代にはその姿を消すことになりました。

亜麻仁の発芽には涼しい気候が適しているのね!

亜麻仁油が作られるまで

毎日花をつけては、散ってしまう。そんなエネルギッシュな営みを1ヶ月繰り返すことで実を増やしていき、やがて亜麻畑全体が茶色く変化したら収穫します。亜麻は、播種から収穫まで約4ヶ月の月日がかかります。小さな丸い実の中には、ゴマのような種〈亜麻仁)が8~10粒入っていて、この種から油が絞られます。

亜麻仁油にある豊富なビタミンやミネラルを残したままの抽出法とは?

一般的な植物油は圧搾機で高圧をかけて溶剤で抽出(これを溶剤抽出法と呼びます)することにより、原材料の油を約99%抽出することができますが、使用した有機溶剤が油に残ってしまう可能性があります。また、溶剤を蒸発させる際に高温になるため、ビタミンやミネラルなどの栄養素はほとんど含まれず、トランス脂肪酸(※詳しくはこちらなどの有害物質を含んだ油になってしまいます。
これに対して、亜麻仁油をはじめとするオメガ3系の油は熱に弱く酸化しやすいため、高温がかけられないので、ゆっくりと圧力をかけて摩擦熱を少なくし、ビタミンやミネラルなどの成分も残したまま抽出できるエキスペラー式圧搾法や玉締め圧搾法で油を絞ります。このように原材料の栽培方法だけではなく余計なものを含まず、大切な栄養素を逃さないように丁寧に作られた油を選ぶことがポイントです。

一般的な植物油の製造法(溶剤抽出法)

亜麻仁油の効果・効能

ヨーロッパでは古くから健康効果が認められていた亜麻仁(油)ですが、●アレルギー症状の緩和 ●メタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防●血流促進、美肌効果 ●脳の活性化 ●認知症緩和●抗酸化 ●メンタルケアなど、幅広い効果があるといわれております。

すごーい!亜麻仁油にはこんなにいろんな効果があるのね!

アレルギー症状の緩和

オメガ6を摂り過ぎると花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こすPGE2の作用が強くなります。しかし、オメガ3系脂肪酸は、γ‐リノレン酸からアラキドン酸を合成する酵素を抑える働きをするため、症状を緩和する作用があると言われております。

メタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防

オメガ3のα‐リノレン酸には、中性脂肪の合成とコレステロールの合成に関わる遺伝子の発現レベルを抑えることから、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減少させ、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増加させる効果があると言われています。

悪玉コレステロール
…肝臓や腸でつくられるたコレステロールを全身に運ぶ。中性脂肪が増えると比例して増加する。
善玉コレステロール
…血管に溜まったコレステロールを肝臓に戻す。中性脂肪が増えるとそれに反比例して減少する。

血流促進、美肌効果

α‐リノレン酸から作られるエイコサペンタエン酸(EPA)は血小板膜のEPAとアラキドン酸の比率を変化させ、血小板膜からのアラキドン酸代謝を阻害することで、血液を凝固させるトロンボキサンの生成を抑制し、血栓が作られるのを防ぎます。そのため、血液が血管で詰まるのを防ぎ、血流を促進します。このように血流が良くなることで、脳卒中や心筋梗塞を起こしにくくするほか、血行促進により肌の新陳代謝を良くし、肌の透明感やむくみ防止効果などが期待されます。また、オメガ3系脂肪酸で構成された細胞膜はしなやかな動きをするため、血管や赤血球が柔軟になり、血液がサラサラになり、肌のバリア機能が改善されて保湿性が向上、キメ細かくてなめらかさのある美しい肌になります。

脳の活性化

「青魚を食べると頭がよくなる」という話を聞いたことはありませんか?これは、青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)のおかげです。つまり、体内でDHAに変化するオメガ3系脂肪酸でも同じ効果が得られます。目や耳で得た情報は、脳の中を網目のように張りめぐるニューロンという神経伝達細胞を通って脳に伝達されますが、このニューロンとニューロンには隙間があり、ここから記憶形成に関与する神経伝達物質のひとつ、グルタミン酸が分泌されます。DHAはグルタミン酸を受けるNMDA受容体の働きを促進するため、このNMDA受容体の働きが活性化することで学習や記憶に関与する神経細胞間の信号伝達に持続的向上を誘発し、記憶力が良くなるのです。

青魚はDHAが豊富!!

認知症緩和

DHAは加齢とともに減少していくことから、不足すると脳の働きが鈍くなり、老人性認知症を誘発する恐れがあるためオメガ3系脂肪酸は積極的に摂っていきたいものです。オメガ3系脂肪酸の比率が高ければ血管細胞膜は柔らかくなり血液の流れが良くなることから脳循環を改善し、血管性の認知症を予防・改善をすると同時に、神経細胞の酸化を防止するため、脳神経を保護し、アルツハイマー病を予防するとも考えられています。また認知症の原因であるアミロイドβ(神経細胞の中に溜まり、神経細胞を破壊してゆく毒性の物質)の凝縮を抑制し、溜まってしまったアミロイドβを分解するため、認知症予防・改善効果があると言われています。

オメガ3系脂肪酸と認知症の関係
オメガ3系脂肪酸と認知症の関係(図)

抗酸化

オメガ3系脂肪酸は、脳内でレチノイン酸X受容体を作動させます。このレチノイン酸X受容体は、神経細胞であるアストロサイトを増やすP2Y2受容体を増やし、活性化させます。アストロサイトが増えることでホルモン成分であるインターロイキン6が産生されるのですが、このインターロイキン6が、脳の酸化ストレスに対して神経を保護する効果があると考えられています。

メンタルケア(不安障害・うつ病)

私たちの記憶や情報整理を司る海馬。オメガ3系脂肪酸はこの海馬の神経新生を促し、血中の脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やすことで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を緩和します。また、不快記憶の消去に関与するカンナビノイド受容体(CB1)の働きを活性化します。これは、恐怖を司る脳神経の回路が活性化するのを抑制するため、恐怖を脳につたわりにくくしたり、不安記憶の形成を弱めて、不安障害を緩和する効果があることがラット研究の結果としても発表されています。

トランス脂肪酸について…